きっちょむフォーラム2007(学内合同研修会)

期 日 平成19年11月28日(水曜日)
場 所 旦野原キャンパス教養教育 32号教室
    挾間キャンパス看護学科 211号教室
参加人数
    第1部 教職員 22人
    第2部 教職員 35人 学生 41人

開会の挨拶

 本年度の「きっちょむフォーラム」は前年度と同様に、第1部「教育課題・教育実践検討会」、第2部「学生教職員共同教育改善シンポジウム」の2部構成となった。第1部の報告の前に、フォーラムの目的等に関して西村本センター長の挨拶があり、続いて嘉目理事(教育担当)の挨拶があった。大学での教育方法の改善のための研修がこれからますます必要になってくること、大学院FDが義務化され、学部についても次年度から義務化の予定であるので組織的な取組みが必要であること、他大学のFD研修が専門化・組織化していること等の紹介があり、先生方には研鑽を積み重ねていただきたい旨の挨拶であった。

  
 

第1部「教育課題・教育実践検討会」

 この検討会では、学内の2名(小林工学部教授、山下教育福祉科学部教授・本センターコミュニケーション部門長)から報告をいただき、それをめぐって意見交換を行った。報告者の論題は以下のとおりである。

  • 小林正「教養科目と専門基礎科目―シニアとジュニア」 配布資料(学内のみ)
  • 山下茂「学習支援とLMS」 掲示資料(学内のみ)

 小林教授による第1報告では、まず、湯川秀樹と朝永振一郎の学生時代の勉強ぶりが紹介され、教養部を新設する際の議論等、かつての大学と今の大学の置かれている状況の違いをもとに、教養教育のあり方について、日頃考え実践されている授業の内容と方法が紹介された。
 さらには、工学部開講科目「物理学基礎」において、多様な入試を経て入学してきた学生に対応するために、能力別クラス編成による授業の実施に踏み切られたこと、及びその学習効果がとりあげられた。
 報告後の質疑応答では、学生の学習に対するモチベーションをあげる方法等をめぐって質問と意見交換があった。

 山下教授による第2報告では、総合情報処理センターの機器更新により本年度から利用されることとなった、「WebClass」の概要と授業での活用例がとりあげられた。またIT活用授業に関して、『eラーニング・ハンドブック』から良い授業のための工夫や、本センター「グローバルキャンパス」とビデオオンデマンドによる授業公開の実例、さらにはメディア教育センターのホームページ上で公開されている他大学の授業について紹介があった。
 報告後、本学におけるWebClass普及のための方策について質問があり、有効な策は見出し難く、まず知ってもらうことが第一との回答があった。

第2部開催に向けての挨拶

 第2部のシンポジウムに先立って、羽野忠学長から、授業は教員から学生への一方向的な情報の流れになりがちであるが、本来、学生と教員双方向のやりとりが必要であり、このシンポジウムで学生から授業への注文が多く出され、それを議論することが、本学における教育の質の向上に寄与するとの挨拶があった。

第2部「学生教職員共同教育改善シンポジウム」

 シンポジウムは市原教授(経済学部・本センター高等教育開発部門長)の司会により進められ、学生からの提案とそれにもとづく討論が行われた。冒頭、市原教授から学生教職員共同教育改善フォーラムの経緯、今回のシンポジウムに向けての学生の取り組み、報告のもととなるアンケート調査の概要についての説明があった。学生の報告は以下の4つであった。

 

 まず、3つの報告が連続して行われた。その内容は、教員と学生へのアンケート及び教員へのインタビューに基づくもので、良い授業のための教員の工夫や、学生の求める良い授業例として、学生の目線に立った授業、学生の意見を取り入れ参加した実感のある授業、イメージしやすい授業などが挙げられた。また、授業評価アンケートの結果については、自由記述部分を参考にするだけではなく、数値データの結果についても授業に反映させて欲しい等の提案もあった。

 

 

 その後の討論では、授業での板書とパワーポイントに関するそれぞれのメリットとデメリット、板書や提示の速さ、資料の配付について学生と教員の双方からの意見があった。また、授業評価アンケートの項目に関しても議論があった。

 学生からの4つ目の報告として、成績評価について学生の約半数が成績評価に納得していないこと、その対応策として試験毎の平均点や得点分布の公表が考えられ、それを実施している大学があることや本学での教員の取り組み等が紹介された。結論として、テストやレポートをコメント付で返却して欲しいとの提案があった。

 その後の討論では、学生からは、学習到達度を把握するためにレポートやテストの返却が無理でもコメントは返して欲しいとの意見が出された。教員からは、本学でのクレーム受付けの存在や、試験の模範解答、正答を公表するよう教育担当理事からの指示があるとの紹介があった。答案やレポートの返却については、難しい、学生が取りに来ない、クラス全体の試験結果について講評している、全て返却している等様々な状況の紹介があった。レポートや答案の返却については、熱心な議論が交わされたと言える。

閉会の挨拶

最後に、「きっちょむフォーラム」を終了するにあたり、西村本センター長から第1部、2部の報告に対して手短にコメントと謝辞が述べられた。

[参考]案内ページ

(文責)牧野 治敏

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