「教師のための明快・発音トレーニング」概要報告

平成18年度の大分大学FD講座「教師のための 明快・発音トレーニング」が、元OBSアナウンサー千綾 奉文(ちあや ほうぶん)氏を講師として、9月19日、25日、26日の3日間、午後5時から開催されました。その模様を報告します。

1日目(9月19日)

 まず、高等教育開発センターの大岩センター長から始まりの挨拶がありました。続いて、この講座の企画・提案者の教育福祉科学部の日高教授から、そのねらいと進め方について説明と講師の紹介があり、講座が始まりました。  最初は、千綾講師による講演でした。その内容は言葉に関するもので、「新しい学力観」、「確かな学力」に始まり、社会人として話す力が必要であること、特に挨拶ができない若い人が多いこと、他人が人を見るときには、内容が一割、姿形が5割以上、声が4割、など、話すことの重要性を再認識させられる内容でした。  本講座の内容は、第1回目ということもあり、講義が主体でした。以下その概要を列挙しますと。

  • 自分の声は思っているよりも高く相手に聞こえていること
  • 声は遠くに固まりとして渡すように意識すること
  • ハンディを持っている人にも分かるようにはっきりゆっくりと話すこと
  • 早口は自己満足

 など、説明がありました。

 そのあと、5人の参加者が代表者として、今までの講義内容をふまえてのスピーチをしました。講師の先生からは、ひとりひとりの発音について指導と解説がありました。
 引き続き実習が始まり、腹式呼吸、顔と首周りのストレッチ、滑舌(舌の動きをなめらかにする訓練。いわば口の体操)を講師の説明に続いて、全員で練習しました。
 予定の終了時刻を少々越えてしまいましたが、わかりやすい説明とたくさんのトレーニングメニューで充実した第一回目の講座でした。学長の参加も含めて19名の参加者がありました。

 

 

2日目(9月25日)

 日高教授と講師の千綾氏から、前回の復習がありました。そして、肺活量を増やすこと、腹筋を鍛えることの有効性についての説明とトレーニングの仕方が紹介されました。その後、実習として、10人の参加者が今までのトレーニングをふまえて自己紹介をしました。視線や体の向き、心の向き、聞く人に届けるという気持ちを意識する等の指導がありました。また、一人一人の指導を元に受講生全員に関わる話し方の指導もありました。参加者は20名でした。

 

3日目(9月26日)

 最終日の講座は滑舌の練習から始まりました。
 この日は全員にスピーチが課され、それぞれの参加者が、日頃の授業の一場面を想定して、数分間の模擬授業をしたり、人によってはこの講座を受講した動機、受講してどうであったかなどを話しました。それに対して話し方の個別指導がありました。
 講義のまとめとして、教室(壇上)では、ゆっくり大きく動くことで、聞き手に安定感が伝わること、間を持たせるには動くこと、声を大きくしようと思って叫ぶと声が散ることなどの話がありました。また、大学生を対象とした「教え上手コンテスト」についても紹介がありました。参加者は20名でした。

 3日間の講座は、終始和やかな雰囲気で進められ、初日は欠席せざるを得なかったので2日目からという参加者もありましたが、熱のこもった講習会となりました。
 私自身、今回の講習会に参加して、良い発音と、わかりやすい話し方のためには、単に技術的な問題だけではなく、日頃の気持ちの持ち方も大切であることを感じさせられました。

[参考]日程・プログラム表

9月19日(火)
午後5時~7時
第1回 アナウンサーの体験に基づく「話す」ことの難しさ,
および明瞭な発音の大切さと明快な話し方の重要性についての講義
9月25日(月)
午後5時~7時
第2回 明瞭な発音でわかりやすい話し方をするための発音トレーニング法
=いわゆる「滑舌」法(口の体操)の解説と 実習1
9月26日(火)
午後5時~7時
第3回 明瞭な発音でわかりやすい話し方をするための発音トレーニング法
=いわゆる「滑舌」法(口の体操)の解説と 実習2
(文責)牧野 治敏

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