授業公開FDワークショップの概要報告2

高等教育開発センターでは、教授法・教材の改善を進めることを目的に、12月15日から12月22日まで、「授業公開FDワークショップ」として、「授業公開」と「授業検討会」を開催しました。このFDワークショップは、全学の教員は3年に1度FD活動に参加するとの教務部門会議の要請を受けて企画実施するものです。

授業検討会

 A日程 12月19日(金) 16時30分~18時

対象授業 「エレクトロニクスの世界Ⅱ」
「キャリアデザイン入門」
「西洋経済史Ⅱ」
「経営学Ⅱ」

授業検討会は、授業担当者による当日の授業についての説明と、日頃授業を進めるにあたっての考えや工夫についての紹介で始まりました。

その主なものとして、「教養の授業では他学部の学生を相手にするため、興味や関心を持たせる工夫をしている」「説明を具体的にするため、できるだけ実物を提示するよう心がけている」「小テストやライティングにより学生の反応を確認して、授業を進めるようにしている」「90分の授業をさらに細分化することで授業に飽きさせない」などがあげられました。また、「オムニバス型授業の進め方が難しい」「高等学校レベルの内容から説明しなければならないので授業展開が難しい」等の意見もありました。

授業担当者の説明に対する質疑応答の後、意見交換会となりました。分かりやすい授業とするための工夫については、参観者からも「テーマを区切り受講生を飽きさせないようにする」「小テストを毎回実施している」等の事例が挙げられました。小テストについては、ほとんどの先生が個別の返却はしていないものの、データや意見を集約して、授業に反映させている等の紹介がありました。

オムニバス型の授業については、「メリットもデメリットあるので、コーディネータの役割が重要である」という意見や、「チームティーチングとしての進め方も検討できるのではないか」との提言もありました。

学生の遅刻についても話題となりました。「きちんと出席している学生からの不満が多い」「遅刻する学生への教員の対応がまちまちであると、実効があげにくい」等の意見があげられました。このことについて多くの意見が出されましたが、「遅刻の対応について全学一致の基準が必要なのではないか」との意見について多くの賛同の声がありました。
この授業検討会の参加者は7名でした。お忙しい中、ご参加いただいた先生方には御礼申し上げます。

B日程 12月22日(月)16時30分~18時

対象授業 「人間と教育」
「地域と情報」
「人間関係学」
「情報科学の世界」

授業検討会は、授業担当者による授業のねらいや工夫の紹介と同時に、参観者からの質問や意見を交えた意見交換となりました。

B日程の対象となった授業では、遅刻した学生への対応が極端に異なる授業が提示されたことで、遅刻に対する考え方の違いも含め、熱のこもった議論が展開されました。遅刻については、「教室の学習環境を維持するために、厳しい対応が必要である」との意見が出された一方で、「遅刻した学生を注意することで、教員自身の気分が悪くなるので、注意はしないようにしている」との意見もありました。また、教室の規模によっても遅刻した学生への対応は異なり、特に大教室では難しいとの意見でした。一つの工夫として、遅刻した学生には、入室の際に教室の前方で名前を書かせることで、授業への参加を認めつつ、間接的に注意を喚起する方法が紹介されました。

板書の仕方については、単調になりがちなパワーポイントに意図的に空欄を作ることで注目させる方法や、教材提示装置による手書きの文字をスクリーンに映しながら説明する方法が紹介されました。この授業中の手書きをスクリーンに映し出す方法は学生のノート筆記や思考の速度に合わせて授業を進められることや、先に書いた紙を再利用することで授業の振り返りがしやすいなど、参加者の賛同が集まりました。

授業の進め方について、「授業中は学生たちに徹底的に考えさせる時間とし、知識を伝達することは、授業時間外の課題としている」「配付資料はすべてWebClass上で行う」「授業終了時のライティングにマークシートを使う」「説明の途中で『あー』『えー』等の接続音を使わないように意識している」等事例について具体的な紹介があり、他の参加者からは、大変に参考になったとの意見がありました。

この授業検討会の参加者は14名でした。お忙しい中ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。

[参考]案内ページ

(更新)2009年3月31日
(文責)牧野 治敏

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