大学院FD講演会「新しい大学院教育のあり方について」の概要報告

 高等教育開発センターは、平成19年10月3日(水)に、大学院部門会議との合同でFD講演会を開催しました。これは「新時代の大学院教育-国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-」(平成17年9月5日中央教育審議会答申)を受けた大学院設置基準の改正により、本年4月1日から大学院教育におけるFD(ファカルティ・ディベロップメント)が義務化されたことに対応して実施したものです。

 講師として、この中教審答申の作成に関わられた、北九州市立大学大学院社会システム研究科長の谷村秀彦先生をお招きしました。会場は旦野原キャンパスの教養教育棟32号教室と、挾間キャンパスの211号教室でした。挾間キャンパスへは遠隔授業システムを使って同時中継しました。

 
 

 講演に先立って、本センターの西村センター長より挨拶と講師の谷村先生の略歴紹介がありました。講演は、講師の谷村先生ご自身の経歴紹介もかねて、学生時代の様子から始まりました。学生運動が盛んであった頃の大学の状況、先輩の磯崎新氏や黒川紀章氏のエピソードなどが紹介されました。特に磯崎氏については大分になじみが深いこともあり、引きつけられるお話しがありました。

 講演の主な内容は、中教審平成17年9月答申「新時代の大学院教育―国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて―」の解説であり、答申は「危機意識」を抱えていることや、博士課程、修士課程、専門職学位課程等の目的を明確化することの重要性に言及されました。また、大学院教育の「実質化」と「質の保証」、特に「実質化」はキーワードであること、国際競争力を強化しなければならないことなどをお話しいただきました。

 さらには、大学院に関わる文科省の指導は全てこの答申に基づくことから、大学院に関わる各種の方策やプロジェクトを策定する場合、当該の答申を参考にする必要性が強調されました。1時間少々の講演でしたが、非常に簡潔で本質を突いた、引きつけられる内容であったと言えます。

 講演の後、フロアとの質疑応答では、熱心な意見交換が行われました。最後に、本学の羽野忠学長から、新時代の大学院教育について、非常にわかりやすい解説で、本学のFDとして大変ふさわしい内容の御講演をいただいたというお礼の挨拶がありました。

 本講演会には旦野原キャンパス、挾間キャンパス合わせて65名の教職員の皆様に参加いただきました。ありがとうございました。

[参考]案内ページ

[参考]外部ページ

 大学院教育振興施策要綱
  http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/03/06032916/001.htm

 新時代の大学院教育答申
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05090501.htm

 我が国の大学院制度の変遷と大学院重点化
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/04091603/010/007.pdf

(更新)2007年11月1日
(文責)牧野 治敏
尾澤 重知

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